いっちばん/畠中 恵

いっちばん しゃばけシリーズ 7 (新潮文庫)

いっちばん しゃばけシリーズ 7 (新潮文庫)

兄の松之助が長崎屋を出て所帯を持ち、親友の栄吉は菓子作りの修業へ。普段から病弱な若だんなは、さらに寂しそう。妖たちは若だんなを慰めようと、競って贈り物探しに出かけるが。長崎屋と商売がたきの品比べに、お雛をめぐる恋の鞘当て、果ては若だんなと大天狗の知恵比べ―さて勝負の行方はいかに?シリーズ第七弾は、一太郎の成長が微笑ましく、妖たちの暴走も痛快な全五編。

私を(いい歳こいて)ジャニーズファンクラブに入会させた最強「しゃばけ」シリーズ(笑)
妖怪が可愛い〜若だんなも可愛い〜(^^)


文庫の対談でも話されていたように、「しゃばけ」シリーズは登場人物の成長・変化が起ります。
変化と言えば、「髪結い伊三次」(宇江佐 真理 著)も登場人物の環境がびっくりするぐらい毎回変化して
電車の中で読んでいたら夢中になりすぎて、降りる駅を通り過ぎてしまったこともあるのですが…(^^;
「髪結い伊三次」より刺激的では無いけど、「しゃばけ」にもゆるやかな変化が起こります。

この変化がまた登場人物がみんな愛おしいすぎて、切ない。
若だんなの病弱さや兄やの過保護、妖怪の無邪気なイタズラは変わらないのに
まるで若だんなだけ時が止まってしまっているかのように、周りは成長して若だんなから離れていく。
いつも読書後は「面白かった〜」はもちろん「でも…なんだか寂しい」という切ない余韻が残ります。
そんな中、鳴家の可愛さに救われました〜ぎゅわわぁ〜。